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小幡績『ネット株の心理学』MYCOM新書

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あの素晴らしいあ○をもう一度

$ゆっきーのエッセイブログ

どっかでお金にしないと永遠に保有しているだけになってしまいそうだ・・・
その答えはどうやらこの本に書いてあるようなのです。


前回こう書いて終わりました。

 優良株を長期保有して配当や株主優待を悠々自適に楽しむのではなく、「青年」が人生を謳歌するように欲望に忠実に儲けること、この困難なことはどうやって実現できるのでしょうか。

人生を謳歌することが意外と難しいのと同様、それは難しく、きっとそのチャンスを逃さないことが重要なのでしょう。

 人生の成功も恋愛の甘美さも、あなたの決断力のなさで過ぎ去ってしまった。

 いえいえ、ことによると目の前にあったはずの至福の瞬間をみすみす気がつかずにやり過ごしてしまったかもしれないのです!!!

 遅くはありません!チャンスはあります!

 じゃあどこに!!!

 あの素晴らしい愛をもう一度!!!

著者によるとその絶好の機会は バブルにあるようです。

「世間では、バブルは諸悪の根源で、とても恐ろしいものとして扱われています。日経平均がどんどん上がっていくときには、メディアはバブル再来か?と書きたてます。やはり皆さんもバブルは怖いでしょうか?」『ネット株の心理学』p85

 あたしは直接知らないのですが、日本の金融システムを崩壊させ、美しい日本の国土は地上げで粉々になり、本業とは関係ない財テク投資で会社が倒産したり、買えば値上がりするとばかりに、株式を借金してまで買った人たちの悲劇的結末だったり、バブルはあまり良く語られていないことは知っています。

 ですので、この本の奥付をみますところ大蔵省出身でもあるこの小幡さんという著者が、諸手を上げてバブルを礼賛しているのは新鮮な驚きでした。

「私もバブル世代ですが、この世代は、行動パターンをバブル経験以前に戻せないのです。バブル世代は、当時、会社の金でも自分の金でも構わず使い、夜は高級フレンチレストラン、買うものはブランド物、週末はゴルフでした。バブル崩壊でフレンチレストランもブランド物もゴルフも縁がなくなり、ユニクロと和民で暮らしていたのですが、2005年ころから景気が良くなってくると、再びバブルの血が騒ぎます。今、こだわりの高額イタリア靴を買っているのはこの世代で、ちょいワルオヤジと呼ばれていますし、ブランド物に身を包んだマダム世代も同世代です」『ネット株の心理学』p87

まあ、雰囲気はいろんなメディアでいまだに後世の我々に伝えられていますのでイメージは湧きますよね。

「このように人間や社会を堕落させるバブルですが、なぜこの諸悪の根源のバブルを撲滅できないのでしょうか

著者は問いかけます。

そしてその答えは・・・

 「みんなバブルが大好きで、バブルが来るのを心待ちにしているからです」

 (ーー)

♪あの素晴らしい  愛 もとい 泡(あわ)をもう一度!


バブルに無縁だったあなたはもしかして・・・

人生の成功も恋愛の甘美さも、あなたの決断力のなさで過ぎ去ってしまった・・・のかしら?
森鴎外の『青年』から日本人はずっと同じなのでしょーか?!



その答えはどうやらこの本に書いてあるようなのです。

次回バブル経済礼賛に つづく



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~ Comment ~

1. バブル経済礼賛ですかあ。 

面白そうですね。勇気ある発言好きです(笑)
当時はバブルという認識さえなかったんですよね。振り返ってみればすごい時代だったなということなのでしょうか。
私はちょうどそのころド田舎で働いていたので、影響(恩恵)を受けず、ただただ都会は派手だなあ、と思っていましたよ。

2. うふふ 

私もまさにこの世代。

広告代理店に勤める同年代は、このバブリーな生活感覚からしか消費は生まれないと信じていて、似たような広告ばかり作っているようですね。

震災後、どう変っているのか。
根本は変っていないでしょうかね。
消費が経済を刺激するという発想は。

3. 無題 

このたまりにたまった国債発行残高をなんとかし、景気を浮揚させるためには、バブルの再来を祈るしかないのでしょう。

バブル当時わたしは大学生でしたが、就職活動はあほみたいに楽でした。その反面人事担当者は学生の確保に苦労していたようですが。

4. 無題 

おいらの同業者のおっちゃん達はみんなことあるごとに
「あの頃は良かったなー」
って言ってるので、バブルはいいもんだと思ってた。
バブル非難は評論家や経済学者さんらの批評で、生の現場の声との違いかと認識していたけども
さて、続きが気になります。

5. 無題 

株式市場そのものが、もともと泡で出来ているようなものだと思います。僕も最近はちょっと痛い目に合っていますよ。(笑)

6. Re:バブル経済礼賛ですかあ。 

>毎朝小説更新 主婦作家 紗都子さん

こんばんわ~(^^)

>>当時はバブルという認識さえなかったんですよね。

そうみたいですね。

日本経済の発展は永遠に続くというそういう本もわんさか出ていたようですね。アマゾンで探して数冊買ってみました。

が・・・。
内容的にはちょっと今読むには耐えられないかもなと。

そうそう。
アマゾンの値段もうそういう本は中古で1円でしたね(爆)。

定価1500円くらいです。

つまり、これこそバブルなのか。
ハハハ

7. Re:うふふ 

>エルマさん

あーなるほど、広告ですか。
今にもまして電通とか博報堂が仕切っていた時代なんでしょうか。

消費が経済を刺激するという発想というのはきっと間違いではないと思うのですけど、先立つもの(可処分所得)が増えないとだめですよね~
(ーー)

8. Re:無題 

>黒川文博さん

バブル待望論は根強くあるみたいですね。

カンフル剤みたいにバブルを起こして、そこで平時には解決できない経済的な難問を解決してしまおうという発想もありそうですよね。

でもそうすると、誰かが最後にジョーカーを引かなくちゃいっけないのかな・・・。

また教えて下さいね!

9. Re:無題 

>マトゥシュカさん

その同業者のおっちゃまは、きっとその世代の方の本音なんでしょうね。
だからこの『ネット株の心理学』の小幡さんは本を書く人としては少数派だけど、実は多数はなのかも。

ライブドアの分析でバブルを切ってるので、次回はそこを書いてみようかと思います(^^)

10. Re:無題 

>サトさん

同じ小幡績氏の本に『すべての経済はバブルに通じる』というのがあるのですが、その本ではサトさんのおっしゃる「株式市場そのものが、もともと泡で出来ているようなもの」をさらに進めて、すべての経済活動はバブル的であると言ってます。

株をなさるんですか・・・。
小説ブログではそういうシーンを書きつつあるのでまた教えて下さいね!
株も小説作法も(^^)。
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